[スポンサーリンク]

archives

ジメシチルフルオロボラン:Dimesitylfluoroborane

[スポンサーリンク]

機能性有機ホウ素化合物合成ビルディングブロック

ホウ素は空のp軌道を持ち,共役系分子にホウ素を導入することにより,p-pi*相互作用を生かした,優れた機能性分子の設計が可能となります。例えば山口らは,ジメシチルフルオロボランを原料に用い,電子豊富なpi電子系の側鎖に受容性のホウ素置換基を導入した2,5-ビス[4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニルエチニル]ベンゼン誘導体を合成しています。この分子は強い蛍光特性を示し,溶液状態だけでなく,固体状態でも量子収率90%と,優れた数値を示します。

“Highly Emissive Organic Solids Containing 2,5-Diboryl-1,4-phenylene Unit”

C.-H. Zhao, A. Wakamiya, Y. Inukai, S. Yamaguchi, J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 15934. DOI: 10.1021/ja0637550

ja0637550n00001

We disclosed a series of π-conjugated systems containing 2,5-bis(dimesitylboryl)-1,4-phenylene as the core unit and electron-donating amino groups at the terminal positions. The extension of the pπ−π* conjugation in the diborylphenylene moiety along the short axis of the π-conjugated framework as well as the incorporation of two bulky dimesitylboryl groups at the para-positions makes this moiety act as a unique bulky π-electron-accepting unit. As a consequence, these systems behave like donor−acceptor−donor quadrupolar π-electron systems and show a large solvatochromism in the fluorescence spectra. Moreover, these organoboron π systems exhibit intense fluorescence even in the solid state with the quantum yields of 0.73−0.90.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I) クロリド:Tri…
  2. 湘南ヘルスイノベーションパークがケムステVプレミアレクチャーに協…
  3. グラフェン技術の最先端 ~量産技術と使いやすさの向上、今後の利用…
  4. スケールアップ・プロセス検討におけるインフォマティクス活用 -ラ…
  5. マイクロ波によるケミカルリサイクル 〜PlaWave®︎の開発動…
  6. XPhos
  7. セリ科植物に含まれる生理活性成分
  8. マテリアルズ・インフォマティクスの手法:条件最適化に用いられるベ…

注目情報

ピックアップ記事

  1. カリフォルニア大学バークレー校・化学科への学部交換留学
  2. この輪っか状の分子パないの!
  3. トムソン:2005年ノーベル賞の有力候補者を発表
  4. 大学院生のつぶやき:第5回HOPEミーティングに参加してきました
  5. マイクロ波を用いた合成プロセス技術と実用化への道【終了】
  6. 奇跡の素材「グラフェン」を使った世界初のシューズが発売
  7. ナノクリスタルによるロタキサン~「モファキサン」の合成に成功~
  8. 薬が足りない!?ジェネリック医薬品の今
  9. 第3回ITbM国際シンポジウム(ISTbM-3)、第11回平田アワード、第1回岡崎アワード
  10. シュミット グリコシル化反応 Schmidt Glycosylation

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー