[スポンサーリンク]

archives

エノキサシン:Enoxacin

[スポンサーリンク]

E0762.gif

フルオロキノロン抗菌剤エノキサシンによるRNA干渉(RNAi)の増強

RNA干渉(RNAi)の主要なタンパク質構成要素は同定されていますが,RNAiによる遺伝子発現の調節機構については依然としてほとんど明らかにされていません。この状況下,Shanらは低分子のフルオロキノロン系抗菌剤であるエノキサシンがRNAiを増強したこととその基本原理を報告しています。RNAiの活性をモニターするために,彼らは安定な細胞株(RNAi-293-EGFP)の緑色蛍光を検出するシステムを開発しました。この細胞株は緑色蛍光タンパク質(EGFP)の遺伝子を発現しているヒト細胞(293-EGFP)に,EGFPのmRNAを標的とした短鎖ヘアピンRNA(shRNA)を発現しているレンチウイルスを感染させることにより調製しています。この分析システムを用いて,彼らはEGFPに対するsiRNAによるEGFP遺伝子ノックダウンをエノキサシンが濃度依存的に促進することを見いだしました。彼らは,エノキサシンがトランス活性化応答性領域RNA結合タンパク質とRNAsの相互作用を促進していることを示しています。

G. Shan, Y. Li, J. Zhang, W. Li, K. E. Szulwach, R. Duan, M. A. Faghihi, A. M. Khalil, L. Lu, Z. Paroo, A. W. S. Chan, Z. Shi, Q. Liu, C. Wahlestedt, C. He, P. Jin, Nat. Biotechnol. 2008, 26, 933.

 

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. 条件最適化向けマテリアルズ・インフォマティクスSaaS 「miH…
  2. 金属・ガラス・製紙・化学・土石製品業界の脱炭素化 〜合成、焼成、…
  3. 【9月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催…
  4. FT-IR(赤外分光法)の基礎と高分子材料分析の実際【終了】
  5. 研究者へのインタビュー
  6. イミダゾリニウムトリフラート塩の合成に有用なビニルスルホニウム塩…
  7. 【7月開催】第十回 マツモトファインケミカル技術セミナー   オ…
  8. 光学活性ジペプチドホスフィン触媒を用いたイミンとアレン酸エステル…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 今年も出ます!!サイエンスアゴラ2015
  2. コールドスプレーイオン化質量分析法 Cold Spray Ionization Mass Spectrometry (CSI-MS)
  3. PCに眠る未採択申請書を活用して、外部資金を狙う新たな手法
  4. キッチン・ケミストリー
  5. 学部4年間の教育を振り返る
  6. 全合成研究は創薬化学のトレーニングになり得るか?
  7. ストレッカーアミノ酸合成 Strecker Amino Acid Synthesis
  8. 稀少な金属種を使わない高効率金属錯体CO2還元光触媒
  9. パラジウム光触媒が促進するHAT過程:アルコールの脱水素反応への展開
  10. 医療用酸素と工業用酸素の違い

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年5月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP