アルデヒドの選択的還元反応
戸嶋らは,ケトン存在下でのアルデヒドの選択的還元反応について報告しています。それによれば,還元剤としてNaBH(HFIP)3を用いることにより,ケトンや他の官能基の存在下,アルデヒドが選択的に還元され,高収率で対応する第一級アルコールが得られます。この方法は他の添加剤が必要なく,操作も簡便なため,有用なアルデヒドの還元法です。カルボニル基の還元反応は有機合成において重要なステップであるため,多方面への応用が期待されます。
“Chemoselective Reduction of Aldehydes over Ketones with Sodium Tris(hexafluoroisopropoxy)borohydride”
Y. Kuroiwa, S. Matsumura, K. Toshima, Synlett 2008, 16, 2523. DOI: 10.1055/s-2008-1078217
Chemoselective reduction of aldehydes in the presence of ketones was achieved using sodium tris(hexafluoroisopropoxy)borohydride which can be stored as a THF solution.