光誘起性HNO供与剤
HNO(nitroxyl)は近年注目されている活性酸素種の一つで,生物学的および薬理学的に重要な作用を持つと考えられています。中川らは,光(330-380 nm)によりHNOの放出を自由に制御できる光誘起性HNO供与剤を開発し,その有用性を報告しています。このHNO供与剤は親水性を持つため,in vitro系実験にも適用可能で,HNOの生物作用の解明と医療分野への応用が期待されます。
中川秀彦ら, 日本薬学会第129年会講演要旨集2, 2009年, p. 198; Y. Adachi, H. Nakagawa, K. Matsuo, T. Suzuki, N. Miyata, Chem. Commun. 2008, 5149 (Dimethylanthracene derivative).