講師 : 武田コロイドテクノ・コンサルティング(株) 代表取締役社長 工学博士 武田 真一 氏
【専門】コロイド科学、超音波減衰分光法
日時 : 2009年12月9日(水) 10:30?16:30
会場 : 東京・品川区大井町 きゅりあん 5F 第1講習室
≪会場地図はこちら≫受講料 :
(税込) 47,250円
⇒E-mail案内登録会員 44,800円
※資料・昼食付
上記価格より:<2名で参加の場合1名につき7,350円割引><3名で参加の場合1名につき10,500円割引>(同一法人に限ります)
講演内容 : <趣旨>
微粒子・ナノ粒子は粒子径が小さいが故に比表面積が大きく、その結果として表面特性や界面特性が最終製品や中間品の特性に大きな影響を及ぼす。元来、粒子–溶媒界面に関する科学は水系溶媒を基礎に理論が構築されてきたが、近年、2次電池材料用スラリーに代表されるように、最先端実用系では依然として粒子 –有機溶媒界面での問題が実用化・事業化の鍵を握っている。
本講では、微粒子・ナノ粒子が有機溶媒と接する時の界面電気化学的特性や酸・塩基的特性について述べる。また、有機溶媒系では帯電状態も弱いことが多いが、そのような系での電位でも十分検出可能な超音波方式ゼータ電位測定法についても触れる。さらに最近、情報電子材料や2次電池材料分野で興味が持たれている
ナノ粒子・微粒子の分散・凝集状態の評価方法について概説する。とくに実用系では粒子濃度が高いケースが多いが、そのような粒子濃度が高い系でこそ特徴を発揮する超音波スペクトロスコピーについて、原理から応用例までをできるだけ数式を用いずに説明する。
ナノ粒子・微粒子を扱っておられる技術者の方で、容易で感度の高い品質管理法を探しておられる方、粒子濃度が高い有機溶媒系での分散・凝集についてお困りの方に講習を受けて頂きたい。
1.微粒子・ナノ粒子の表面特性とその評価法
?水系で構築された基本事項の確認?
1.1 粒子の表面特性にはどのようなものがあるか?
?品質と表面特性の関係は??
1.2 電荷零点・等電点・等酸点の違いは何?
1.3 界面の電気化学的特性
?ゼータ電位と表面電荷はどこが違うか?
1.4 粒子表面の酸・塩基特性
?H+の授受をどう捉えるか?酸でもあり電荷でもあり?
1.5 ゼータ電位測定法
?超音波法と電気泳動法はどこが違うの??
1.6 粒子表面の酸・塩基特性評価法と表面電荷の評価法
1.7 電位差滴定法によるナノ粒子表面特性評価
?容易にできる高感度品質管理法を具体的に紹介?
2.非水系における微粒子・ナノ粒子の表面特性とその評価法
2.1 非水系では粒子表面はどのようにして帯電するか?
2.2 電荷零点・等電点に及ぼす水の影響
2.3 非水系における界面電気化学的特性
?ゼータ電位と表面電荷は非水ではどこが違うか?
?伝導性が低い溶媒と伝導性の高い粒子?
2.4 非水系における微粒子・ナノ粒子表面の酸・塩基特性
2.5 非水系におけるゼータ電位測定法
?電気泳動法で測定できるの??
2.6 非水系におけるゼータ電位・電荷と分散性の関係
3.ナノ粒子の分散・凝集の定義と実用分散プロセス
3.1 解砕過程と分散安定化
?DLVO理論はどのような系に役立つか??
3.2 粘性・表面特性・分散性にはどのような関係があるか?
?分散剤は表面とどのように相互作用するか?:一般論と実際?
3.3 粒子濃度が高い系でのナノ粒子の分散・凝集
?粒子濃度によってこんなに違う界面状態?
4.ナノ粒子の分散・凝集状態の最新評価方法
4.1 一般的な分散・凝集状態評価法
4.2 超音波を用いた分散・凝集状態評価法
:その1?原理・装置の紹介–
4.3 超音波を用いた分散・凝集状態評価法
:その2?具体的な測定例の紹介–
4.4 多検体遠心分析法を用いた分散・凝集評価
:その1?原理・装置の紹介–
4.5 多検体遠心分析法を用いた分散・凝集評価
:その2?具体的な測定例の紹介–
4.6 超音波スペクトロスコピーと多検体分析遠心法を併用した解析手法
□質疑応答□
【講師略歴】
昭和63年より、超音波方式ゼータ電位測定装置の研究に従事、平成4年より米国Dispersion Technology社との共同研究として超音波方式粒度分布測定装置の開発に従事。平成16年からは、超音波法粒度分布測定法のISO化を目指し、 ISO/SC4「超微粒子評価分野の国際規格適正化調査研究小委員会」委員および音響法ワーキンググループ(WG14)国際副委員長ならびに国内委員長として活動。