講師 :第1部 マイクロリアクターを用いた厳密反応操作法
≪10:00?11:30>>
京都大学 工学研究科化学工学専攻 教授 前 一廣 氏
【講師紹介】
昭和55年3月 京都大学工学部化学工学科卒
昭和57年3月 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程修了
昭和57年4月 (株)神戸製鋼所入社、化学技術研究所研究員
昭和61年10月 京都大学工学部助手に任官
平成4年5月 京都大学論文博士(工学)学位取得
平成6年3月 京都大学工学部助教授
平成13年2月 京都大学工学研究科教授(化学工学専攻)
平成17年4月 京都大学地球環境学堂教授 工学研究科教授も両任
現在に至る
現在の研究分野
マイクロ化学工学、環境プロセス工学、バイオマス転換工学
第2部 マイクロリアクターを用いたフッ素ファインケミカル製品の合成
≪11:40?12:50>>
ダイキン工業(株) 化学事業部プロセス技術部 中谷 英樹 氏
第3部 マイクロリアクターを用いた重合反応の制御
≪13:35?14:45>>
出光興産(株) 機能材料研究所 化学品開発センター 研究主任 岩崎 猛 氏
第4部 マイクロリアクターを用いたニトロ化合物の生成と転換
≪14:55?16:05>>
日油(株) 愛知事業所武豊工場 研究開発部 太田 俊彦 氏
第5部 マイクロ化学プロセスの生産プラント化へのアプローチ
≪16:15?17:25>>
東レエンジニアリング(株) エンジニアリング事業本部 プラント事業部 専門主幹 岩本 猛 氏
【講師紹介】
S48 東レエンジニアリング(株)入社 下記業務に従事
ケミカルプラント、原子力プラントの設計、プロセス開発
メンブレン技術開発
H17? マイクロ化学プロセスの開発、プラント設計
現在に至る。
講演内容 :第1部 マイクロリアクターを用いた厳密反応操作法
<趣旨>
マイクロ空間での特長を整理し、マイクロフロー系を用いることで有機合成力を強化できるポイントを示す。次に、マイクロリアクターで有機合成を行う際に考えるべき混合、熱制御に関して、マイクロデバイス利用の考え方を示すとともに、均相系、異相系(界面が存在する系)のいくつかの具体的事例を示しながら、マイクロ反応制御の方法論を講述し、マイクロ反応制御法の基本的な理解を促す。
1.マイクロリアクターとは
1.1 これからの生産技術に求められること
1.2 マイクロへスケールダウンによる輸送特性変化
1.3 マイクロ空間で期待できる効果
1.4 生産用マイクロデバイス概観
2.マイクロ混合と熱交換
2.1 迅速混合と精緻混合
2.2 マイクロ混合論理とマイクロミキサー設計法
2.3 マイクロリアクターの迅速熱交換能力
3.有機合成反応でのマイクロ化の効果
3.1 有機合成反応における選択性制御
3.2 素反応の厳密制御による選択性向上
3.3 過酷な条件での反応
3.4 マイクロスラグ流による高分子の分子量分布制御
3.5 新反応工学へ(反応器形状による反応制御法)
4.触媒マイクロリアクターへの展開
4.1 アセンブル式触媒マイクロリアクターの設計
4.2 液相反応における選択率の自在制御法
5.生産プロセスへの展開の可能性
5.1 マイクロ化学プロセス開発状況
5.2 課題、位置付け、今後の展開は
□質疑応答・名刺交換□
第2部 マイクロリアクターを用いたフッ素ファインケミカル製品の合成
<趣旨>
ダイキン工業(株)、(株)ダイキンファインケミカル研究所は、2009年4月、年間1トン程度のマルチ生産対応量産製造プロセスとして、マイクロリアクタープロセスを導入したことを発表しました。現在、本設備の試運転を通し、本格稼動を急いでいるところです。本発表では、フッ素化学製品の紹介、マイクロリアクター技術とフッ素化学との関連性、技術動向をまとめ、本技術の発展を期待し、今後の展望を述べたいと思います。
1.フッ素化合物とフッ素ファインケミカル製品
2.フッ素化合物の合成方法
3.フッ素系ケミカル製品のマイクロリアクターを用いた事例
3.1 マイクロリアクターを用いた直接フッ素化反応
3.2 マイクロリアクターを用いたエポキシ化反応
3.3 マイクロリアクターを用いたハロゲン?リチウム交換反応
4.おわりに
□質疑応答・名刺交換□
第3部 マイクロリアクターを用いた重合反応の制御
<趣旨>
マイクロリアクターのもつ高速混合、高効率熱交換の特長を活用することにより、ラジカル重合、カチオン重合の制御性を向上することができる。ラジカル重合での均一性の高い(分子量分布の狭い)ポリマーの合成例や、ナンバリングアップ(流路の並列化)によるスケールアップ手法、さらにカチオン重合において、リビング重合触媒を用いることなく、極めて高速なリビング重