「有機化合物」とひとことで言っても様々ある。炭素骨格だけのものもあれば、金属を含んだもの、りんやセレン、ホウ素、ケイ素等を含んでいるものもある。
しかし、基本的には、有機化合物を別名「炭素化合物」と呼ぶことからわかるように、炭素を骨格としたものから成り立っている。炭素を骨格としない化合物は例外を除いて有機化合物として扱われない。
人間の体で例えると、炭素が骨、それを取り巻く水素が肉、その他のものが服やアクセサリーといったところであろうか。であるから、人間の姿もそうたいして変わらないように有機化合物も基本構造は同じものである。
基本的な形は両端がある非環状(鎖状)(図1左)と両端をつないで輪となった環状の化合物(図1右)の二種類しかないことがわかるであろう。
図1 非環系化合物(左)と環系化合物(右)
これらをそれぞれ非環系化合物(acyclic compound)、環系化合物(cyclic
compound)という。
環系化合物はまた、図2のように分類することが出来る。
図2 有機化合物の種類
炭素環系化合物は環骨格全体が炭素原子で構成されているもの、複素環系化合物は環骨格のなかに一個以上の炭素原子以外の原子で構成されているもので、また、それらの骨格構造の相違による構造特性によって、脂肪族と芳香族化合物に分類される。
このように分類された化合物のなかに-OH,-Cl・・等の置換基が含まれていれば、さらにその種類によって、不飽和化合物、ハロゲン化合物、アルコール化合物、カルボン酸化合物、カルボニル化合物等に分類できる。
以上基本中の基本の有機化合物の種類を簡単に説明してみました。どんなに複雑な有機化合物でもほぼ必ずこの分類に納まります。人間で例えるとこれらの分類は人種といったところで、置換基は人間の性格と考えてみるとよいだろう。
(2001.1.9 ブレビコミン)
・最新全有機化合物名称のつけ方 三共出版(1999)
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