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配座表示法

 

 分子がどのような立体配座をとっているか、なぜそのような配座が安定なのか、いくつかの配座が存在する場合どのような割合で存在するか、配座間の相互変換はどのような経路で起こり、そのエネルギー障壁はどのくらいか、など立体配座を考えることは有機化学に足を踏み込めば、避けては通れないところである。

 今回はその配座の決め方、すなわち表示法について考えてみよう。

ブタンのような簡単な分子では、アンチ、ゴーシュという用語で表示できるが一般的にねじれ角の大きさで分類して表示する方法として、Klyne-Prelog表示法がある。

 

Klyne-Prelog表示法とは

  

A.まず、問題とする結合のそれぞれの端についているリガンドの中から、ねじれ角を決めるための基準となるリガンドを次のa〜cの方法で選ぶ。

 a.リガンドがすべて異なる場合は順位則で最も優先順位の高いリガンド

 b.ひとつだけほかと違う場合は、そのリガンド

 c.3つとも同じ場合はねじれ角が一番小さいリガンド

 

B.次にこのようにして選んだ二つのリガンドのねじれ角を調べる。Newman投影式で手前のリガンドを時計の12時の方向においた場合、向こう側のリガンドがどこにくるかを図1のA〜Dの分け方によって8種類の領域に分類する。

 

 

図1 Klyne-Prelog 表示法 

 

*ねじれ角が0°あるいは180°の場合は符号をつけない。

*ちょうど±90°の場合はこの方法では表示できない。

 

例えば図2のような化合物を考えてみよう。

図2

 

まず、基準となるリガンドを選ぶと左ではBr、右ではClとなろう。これを適当に回転しNewman投影式で左の基準となるリガンドを時計の12時の方向におくと、図3のようになる。

    

図3

これを図2の表記法に従ってつけると、Iは+sc、IIはap、IIIは-scとなる。

 

有機って面白いよね!!                                 

(2000/6/8 ブレビコミン)

【用語ミニ解説】

 

立体配座 (Wikipedia)

 

Conformation .単結合についての回転や孤立電子対を持つ原子についての立体反転によって相互に変換可能な空間的な原子の配置のこと。

 

リガンド

 

ligand。配位子。

 

 

 

 

 

 

 

 

Newman投影式

 

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