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コンビナトリアル合成

 

 トピックス「有機化学にコンピューターは必要か?」で有機化学においてのコンピュータの必要性を述べた。

 それではそこで紹介した、コンビナトリアル合成にについてここで簡単に説明しよう。

まず、コンビナトリアル合成とは何だろう?というところから。

 

 1990年代に入り、主に医薬品開発の分野で、コンビナトリアル化学(combinatorial chemistry)という新しい技術が注目を集めてきた。

 

 この方法は「組み合わせを利用しての多種類の化合物群(ライブラリー)を効率的に合成し、それらを様々な目的に応じて活用していく技術」とされている。

このなかでも、組み合わせによって多数の化合物群を一度に合成する手法をコンビナトリアル合成(combinatorial synthesis)といい、コンビナトリアル化学の中心に位置付けられている。

 

 例えば通常の合成では式(1)のように1:1の反応であり、1つのものしか合成できないが、コンビナトリアル合成式(2)ではAとBの数を増やすことで多数の化合物を一度に合成することができる。

 

 例えばAが100個Bが100固ならば10000種類の化合物が合成できる。

式(1)普通の合成

 

式(2)コンビナトリアル合成

現在模索されているコンビナトリアル合成は、医薬品として有望視されている分子量500以下の非ペプチド系の低分子化合物への適用である。

 

コンビナトリアル合成によってライブラリ(コンビナトリアル合成で合成された化合物群)を構築する方法としては、現在ではおもにスプリット合成パラレル合成の二つの方法が行われている。

(詳細は文献で探してください)

 

しかし、このような合成では得られるライブラリーは混合物であり、これら一つ一つの化合物を特定したりするのは簡単なことじゃない。そこで、図1のようなカプセルを使って、その後その中のマイクロチップを解析して、その工程を記憶させようというのである。

図1反応用ビーズと記憶用チップを閉じ込めたカプセル

 

また、これらの工程をコンピュータで完全自動化するという試みもなされている。

これによって、

「多量多種類の有用な化合物を自動的に合成し、その工程もわかる。」という、はっきりいって夢のようなことが考え出されている。

 

まあ、この基盤には有機合成化学が来るのだが、実用化を考えた場合、他分野との連携というのは、必須になっていくのだが、有機合成をする者にとってもこれらの知識は必要である。

この技術の内容がわからないでは、車は運転できるけど、なんで動いているのかわからないよ。といっていると同じことである。(ブラックボックス状態)

 

このように、コンピュータの使用とそれを使った制御は一般的にはまだ知られていないが有機合成の世界にも広まりつつある。といっている、私もぜんぜんわかってない。すごいなー、でどうやるの?ていう感じです。この技術はどこまで進んでいるのだろうか?

興味があったら詳細について調べてみてください。

有機って面白いよね!!         

(2000/6/25 ブレビコミン)

 

参考、関連文献

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