何で3員環が・・・? 〜Simmons-Smith反応〜 |
代表的なカルベノイド反応であるSimmons-Smithは3員環が生成してしまうんです(図1)!!
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図1 Simmons-Smith反応
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これって不思議ですよね。普通カルベノイド反応では3員環は生成しないはずなんですよね。カルベノイドの反応は、あまり出てこないものなので知らない人も多いかと思うので、簡単に説明します。
まず、カルベノイドには、求核性カルベノイドと求電子性カルベノイドの2種類があります。カルベンはカルベノイドから生成します(図2)。 |
図2 カルベン、カルベノイドの平衡
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カルベノイド(カルベン)の種類によって、反応性はそれぞれ異なってきます(図3)。 |
図3 カルベン、カルベノイドの反応
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カルベンやカルベノイドが中間体として生成する反応って本当に少ないので結構理解するのは難しいかもしれませんが、これが概要です。
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ここまでで、Simmons-Smith反応のなぞに気付きました?そうなんです。Simmons-Smith反応は、カルベノイド反応であるにもかかわらず、3員環が生成しているんです。カルベノイドからは3員環ではなく、Nuの付加生成物もしくはE+とのE2反応生成物が得られるはずです。なんで・・・? |
反応機構(図4)を考えてみよう!あっ・・・!! |
図4 Simmons-Smith反応の反応機構 |
Simmons-Smith反応は、カルベノイド反応といっても求核性カルベノイドや求電子性カルベノイドの反応ではなく、カルベンに類似したという意味のカルベノイドだったんですね。
有機化学用語って結構複雑なんですね。でも、やっぱり有機って面白いよね!!! (2000年6月20日 ボンビコール) |