ポリエチレンの作り方 |
ポリエチレンと聞いたら何を思い出すだろうか?
ポリエチレンは包装用のフィルムや袋などでかなりおなじみなもので、誰もが見て触って使ったことがあるであろう。 いったいこれは何なのか?どのように作られるのかということを説明してみよう。
▼ポリエチレンとは?
まず、基本から。 ポリエチレンとはエチレンのポリマー(重合体)である。もっと簡単に言うと、エチレンがいっぱいくっついたものです。 ポリマー、つまり高分子化合物は現在世界で1億トン以上日本では1300万トン以上作られ、その中でもポリエチレンは20%以上を占めている。 そして、結晶化度の違いにより LDPE(低密度ポリエチレン) HDPE(高密度ポリエチレン)の二つに分類されている。
それではまずそれぞれの特徴、製造方法について簡単に説明しよう。
LDPE 長い枝がついているので結晶化度が低く引っ張りに弱いが、透明であるという特 徴がある。 製造方法は10〜20MPaの高圧下で重合させる高圧法という方法。
HDPE 規則正しい構造をしていて結晶化度が高区引っ張りに強く、不透明である。 製造方法は Ziegler-Natta系の触媒を用いて常圧で重合させる。
ここからはちょっと難しいかな?HDPEの製造方法について詳しく説明しよう。
▼HPDEの製造方法
HDPEを作るときはLDPEと異なり常圧で行うので、反応を進行させるために触媒が必要であり、それに使われているのが Ziegler-Natta系の触媒(図1)であった。
図1 Ziegler-natta触媒の生成と反応
この触媒はZieglerという化学者が発見し、Nattaという化学者がこの触媒によってポリプロピレンなどの立体的な規則性のある高分子が合成できることを見出し、二人同時にノーベル賞をもらっている。 そして、これは大変工業的に有用な触媒で、もちろん初期の形からは改良されているが現在でもいまだに使われている。 しかし、近年メタロセン触媒というZiegler-Natta系触媒以来の新しい触媒が開発された。
▼メタロセン触媒とは?
詳しく知りたいひとはChem lett. 2000,554 、化学と工業,2000,53,691などを見てほしい。
有機って面白いよね!! (2000/7/25 by ブレビコミン)
▼参考、関連文献
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