概要
アリルカーバメートの脱水反応により系中でアリルシアナート種を生成させると、これは速やかに転位してアリルイソシアナートを与える。
反応形式面ではOverman転位と同様であるが、本法は圧倒的に活性が高く、低温(0℃以下)で進行する。また活性種の嵩が小さいため、立体的に混みあった位置への転位も可能である。引き続きアルコールと反応させることで、任意のカーバメート保護アミンも得られる。
基本文献
- Ichikawa, Y. Synlett 1992, 238. DOI: 10.1055/s-1991-20691
<review>
- Ichikawa, Y. J. Org. Synth. Chem. Jpn. 2006, 64, 96.
- Ichikawa, Y. Synlett 2007, 2927. DOI: 10.1055/s-2007-992370
反応機構
協奏的[3,3]シグマトロピー機構で進行すると考えられている。転位元の立体は転位先に転写される。
反応例
(-)-Agelastatin Aの合成[1]
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Ichikawa, Y.; Yamaoka, T.; Nakano, K.; Kotsuki, H. Org. Lett. 2007, 9, 2989. DOI: 10.1021/ol0709735[2] Toma,T.; Kita, Y.; Fukuyama, T. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 10233. doi:10.1021/ja103721s
関連反応
- ビニルシクロプロパン転位 Vinylcyclopropane Rearrangement
- オーヴァーマン転位 Overman Rearrangement
- デュボア アミノ化反応 Du Bois Amination
- Aza-Cope転位 Aza-Cope Rearrangement
- エッシェンモーザー・クライゼン転位 Eschenmoser-Claisen Rearrangement
- オキシ-コープ転位 Oxy-Cope Rearrangement
- コープ転位 Cope Rearrangement
- ジョンソン・クライゼン転位 Johnson-Claisen Rearrangement
- アイルランド・クライゼン転位 Ireland-Claisen Rearrangement
- クライゼン転位 Claisen Rearrangement
関連書籍