概要
ボラン(BH3)は通常二量体のジボラン(B2H6)として存在している。しかしこれは発火性かつ有毒な気体状試薬であり、取り扱いに難がある。
THF錯体もしくはジメチルスルフィド錯体は単量体であり、溶液として市販されているため取り扱いが容易である。これはエステルやアミド・ニトリルが存在していてもカルボン酸のみを選択的にアルコールにまで還元する。加熱還流条件であればエステル・アミド・ニトリルを還元することも可能。
基本文献
- Burg, A. B.; Schlesinger, H. I. J. Am. Chem. Soc. 1937, 59, 780. DOI: 10.1021/ja01284a002
反応機構
中間体として生じるアシルボロネートは活性エステルとして振る舞い、ヒドリドによって還元される。
反応例
実験手順
実験のコツ・テクニック
※反応性に大きな差はないが、ジメチルスルフィド錯体の方が安価で安定である。ただ、悪臭は問題。
参考文献
関連反応
- 水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム/ナトリウム/カリウム L/N/K-Selectride
- 水素化ホウ素ナトリウム Sodium Borohydride
- 水素化ジイソブチルアルミニウム Diisobutylaluminium hydride
- 水素化リチウムアルミニウム Lithium Alminum Hydride (LAH)
- ボーチ還元的アミノ化反応 Borch Reductive Amination
- 金属水素化物による還元 Reduction with Metal Hydride
- ブラウンヒドロホウ素化反応 Brown Hydroboration
関連書籍
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外部リンク
- Borane reagent (organic-chemistry.org)
- Borane – Wikipedia
- ボラン– Wikipedia