概要
グリコシルハライドを銀などのソフトルイス酸によって活性化し、グリコシド結合を形成する反応。しかしながら、グリコシルドナーの不安定性ゆえ、近年ではあまり用いられない。
代替法としてglycosyl fluorideを用いる向山法、trichloroacetimidateを用いるSchmidt法、金触媒を用いるYuらの方法など数多くの方法があるので、そちらが頻用される。向山法に必要なglycosyl fluorideはC-F結合の強さゆえ、安定に存在しうる。この場合にはハードルイス酸を活性化剤として用いることが一般的である。
アノマー位の立体選択性は、2位の置換基隣接基関与に大きく依存する。類似反応には水銀HgO-HgBr2を用いるHelferich条件などもある。
基本文献
- Koenigs, W.; Knorr, E. Ber. 1901, 34, 957.
- Schmidt, R. R. Comp. Org. Syn. 1991, 6,33.
- 鈴木啓介、長澤徹哉 有機合成化学協会誌 1992, 50, 378.
反応機構
一般的にはオキソニウムカチオンを経由するが、条件によってはSN2反応に近いような反応形式の場合など、活性化方式により異なる場合がある。
反応例
実験手順
実験のコツ・テクニック
Glycosyl bromideの合成はglycosyl acetateをTMSBrにより処理する方法、methyl glycosideを33%HBr in AcOHにより処理する方法により可能である。化合物によってはかなり安定。例えば保護基がacetateの場合、カラムクロマトグラフィーに耐えるレベルに安定だが、ベンジルエーテルの場合などはかなり不安定。そのような不安定なドナーの場合はworkupののちにそのままグリコシル化に用いる。
参考文献
関連反応
- カーン グリコシド化反応 Kahne Glycosidation
- シュミット グリコシル化反応 Schmidt Glycosylation
- アセタール還元によるエーテル合成 Ether Synthesis by Reduction of Acetal
外部リンク
- Koenig-Knorr reaction (Wikipedia)