概要
ニトロ化反応は芳香環に窒素を導入できる有用手法である。合成されたニトロ化合物は、複素環合成やSandmeyer反応の前駆体に用いることができ、用途は幅広い。
基本文献
反応機構
ニトロ化反応の活性種は、硝酸と硫酸の混酸系中で生成するニトロニウムイオン(NO2+)である。
配向性は、通常の芳香族求電子置換反応(SEAr)形式に従う。ニトロ基は強い電子吸引性であるため、通常のベンゼンを基質とする場合には、モノニトロ化で反応は停止する。
(参考:J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4836; J. Org. Chem. 2006, 71, 6192.)
反応例
ジニトロ体やトリニトロ体を合成したい場合には、発煙硝酸を使うと反応が進行する。
ピリジンN-オキシドは以下のような共鳴構造をもつため、ニトロ化に対してはピリジンそれ自体よりも活性になる。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連反応
- ジアゾカップリング diazocoupling
- ゴールドバーグ アミノ化反応 Goldberg Amination
- コーンブルム ニトロ化反応 Kornblum Nitoration
- 芳香族化合物のスルホン化 Sulfonylation of Aromatic Compound
- バックワルド・ハートウィグ クロスカップリング Buchwald-Hartwig Cross Coupling
関連書籍
外部リンク
- Zinke Nitration (Wikipedia)
- Sodium Nitrite (Wikipedia)
- Nitration (Wikipedia)
- Nitronium ion (Wikipedia)
- ニトロ化合物 (Wikipedia日本)
- 亜硝酸 (Wikipedia日本)
- 混酸 – Wikipedia
- 芳香族求電子置換反応(Wikipedia日本)