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デミヤノフ転位 Demjanov Rearrangement

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概要

脂肪族第一級アミンを亜硝酸で処理すると、発生したジアゾニウムイオンが不安定なため速やかに脱窒素されて、カルボカチオンを発生する。転位後、系中に水が存在すると捕捉されてアルコールに変換される。これはシクロアルカン骨格の環拡大・環縮小に利用できる。
β-アミノアルコールを同様の条件で処理すると、ピナコール転位類似の機構で、転位反応をより精密に制御できる(Tiffeneau-Demjanov転位)。

基本文献

  •  Demjanov, N. J.; Lushnikov, M. J. Russ. Phys. Chem. 190335, 26.
  •  Demjanov, N. J.; Lushnikov, M. Chem. Zentr. 19031, 828.
  •  Smith, P. A. S.; Baer, D. R. Org. React. 196011, 157.
  •  Stetter, H.; Goebel, P. Ber. 1963, 96, 550.
  • Kotani, R. J. Org. Chem. 1965, 30, 350. DOI: 10.1021/jo01013a009
  •  Dave, V. et al. Can. J. Chem. 1979, 57, 1557.
  •  Murray, R. K. Jr.; Ford, T. M. J. Org. Chem. 1979,  44, 3504. DOI: 10.1021/jo01334a012
  •  Fattori, D. et al. Tetrahedron 1993, 49, 1649. doi:10.1016/S0040-4020(01)80352-5

 

反応機構

Wagner-Meerwein転位類似のカチオン性転位機構で進行する。
Demjan5.gif

反応例

 

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

 

関連反応

 

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外部リンク

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