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ボーディペプチド合成 Bode Peptide Synthesis

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概要

α-ケト酸とヒドロキシルアミンを混合するだけでペプチド(アミド)結合が合成できる。

穏和な条件で進行し、官能基選択性も高い。非常に簡便で、廃棄物も除去容易で無害な二酸化炭素と水のみ、というクリーンな反応である。

無保護のアミンやカルボン酸が共存していても選択的に反応が進行することが特徴である。ペプチド合成においてしばしば問題になるα-エピ化もかなり起こりにくい。

基本文献

・Bode, J. W.; Fox, R. M.; Baucom, K. D. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 1248. doi:10.1002/anie.200503991

<review>
・ Harmand, T. J. R.; Murar, C. E.; Bode, J. W. Curr. Opin. Chem. Biol. 2014, 22, 115. DOI: 10.1016/j.cbpa.2014.09.032

開発の歴史

2006年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校のJeffery Bode(現在:スイス工科大学)によって報告された。 α-Ketoacid-Hydroxylamine (KAHA) Ligationとも呼ばれる。

Jeffrey W. Bode

Jeffrey W. Bode

 

反応機構

18O標識による結果から以下の様に推定されている。(参考:Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 513.)

bode_peptide_3

反応例

無保護のアミン・カルボン酸存在下でのペプチド合成例
topic_peptide_4.gif
キラルなオキサゾリジン誘導体を用いる連続的β-ペプチド合成
bode_peptide_5.gif

ペプチドケト酸の調製法[2]:シアノチオイリドを酸化することで、アミノ酸単位から簡便に調製できる。固相担持で合成することも可能[3]。

KAHA_ligation_7

ペプチドヒドロキシルアミンの調製法[4]: 酸化体をニトロンとして捕捉することで過剰酸化を防げる設計の酸化剤を用いることで、直接合成が行える。

KAHA_ligation_8

実験手順

N-[(1S)-1-Phenylethyl]-benzeneacetamideの合成[1] bode_peptide_6.gif

窒素雰囲気下、撹拌子を備えた500mL丸底フラスコにフェニルピルビン酸(4.75g, 28.9mmol, 1.0 eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(289mL)溶液を調製する。5分撹拌後、室温にてN-hydroxy-(S)-1-phenylethylamine oxalate (9.20 g, 40.5 mmol, 1.4 eq)を固体のまま、一度に加える。反応溶液を40℃に昇温して、完結するまで撹拌する。
溶液をエバポーレータ(50℃、10mmHg)にて約20mLにまで濃縮後、黄みがかった溶液を、30分かけて室温にまで放冷する。その後ジエチルエーテル(200mL)で希釈し、1N塩酸水溶液(200mL)を入れておいた分液漏斗に注ぐ。有機層を分取し、1N塩酸(200mL)で再び洗浄する。水層を合わせ、ジエチルエーテル(3×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、飽和重曹水(200mL)で洗浄する。またこの水層からエーテル(2×200mL)で逆抽出する。有機層を合わせ、飽和食塩(400mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過後、有機層をエバポーレータ(40℃、20mmHg)で濃縮し、真空ポンプ(2mmHg)で一晩乾燥すると、黄色の粘稠性油状物質として粗生成物が得られる。
これをカラムクロマトグラフィ(SiO2, 280 g)にマウントし、30% 酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒として精製することで、目的物を白色固体として得る (5.92-5.96 g, 収率85-86%)。

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Carrillo, N..; Davalos, E. A.; Russak, J. A.; Bode, J. W. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 1452. DOI: 10.1021/ja057706j
[2] Lu, J.; Lipert, A. R.; Bode, J. W. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 4253. DOI: 10.1021/ja800053t
[3] Lu, J.; Bode, J. W. Org. Biomol. Chem. 20097, 2259. DOI: 10.1039/B901198F
[4] Fukuzumi, T.; Bode, J. W. J. Am. Chem. Soc. 2009131, 3864. doi:10.1021/ja900601c
[5] Ju, L.; Bode, J. W. Org. Synth. 201087, 218. DOI: 10.15227/orgsyn.087.0218

関連反応

 

関連書籍

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外部リンク

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