概要
芳香族化合物のオルト位を選択的に官能基化できる。官能基化ベンゼン誘導体の位置選択的合成法としては、もっともポピュラー。
低温かつ強塩基を必要とするものの、ほぼ完璧な位置選択性での変換が可能なため、実験室・工業規模を問わず重宝される。
基本文献
- Snieckus, V. Chem. Rev. 1990, 90, 879. DOI: 10.1021/cr00104a001
反応機構
電子豊富官能基とリチウムとの相互作用により、近傍のオルト位が選択的にリチオ化される。
反応例
立体的に混み合った位置でも官能基化できる。以下はその例[1]
アルデヒドは通常有機リチウム剤と反応してしまうため配向基として用いることは出来ない。系中でアミドアニオン付加により保護し、エチレンジアミンのキレート能を利用すればオルトリチオ化が行える。[2]
同様の考え方を用いて、連続官能基化も達成されている。以下に示すのはCamptothecin合成への応用例[3]である。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Pansegrau, P. D.; Rieker, W. F.; Meyers, A. I. J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 7178. DOI: 10.1021/ja00229a037 [2] Comins, D. L.; Brown, J. D. J. Org. Chem. 1984, 49, 1078. DOI: 10.1021/jo00180a024 [3] Comins, D. L.; Baevsky, M. F.; Hong, H. J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 10971. DOI: 10.1021/ja00053a049
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外部リンク
- Directed Ortho Metalation (Wikipedia)