概要
過酸を用いてオレフィンをエポキシドに変換する反応。中でもm-クロロ過安息香酸(mCPBA)は、固体であること、および比較的爆発性に乏しいことを理由に、実験室レベルで多用される。ジメチルジオキシランなども同様の目的に用いることができる。
基本的に電子豊富なオレフィンほど反応性は高い。
近傍に無保護のヒドロキシル基が存在すると、水素結合関与によってジアステレオ選択的にエポキシ化が起こる(Henbest則)。保護されたヒドロキシル基の場合には逆の立体選択性でエポキシ化が進行する。
基本文献
- Prilezhaev, N. Ber. 1909, 42, 4811. doi:10.1002/cber.190904204100
- Swern, D. Org. React. 1953, 7, 378.
- Henbest Rule: Hoveyda, A. H.; Evans, D. A.; Fu, G. C. Chem. Rev. 1993, 93, 1307. DOI: 10.1021/cr00020a002
反応機構
協奏的機構で進行する。オレフィン由来の立体は保持される。オレフィン上の電子供与性置換基は反応を促進する。
反応例
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連反応
- 史 不斉エポキシ化 Shi Asymmetric Epoxidation
- ジメチルジオキシラン
- ルボトム酸化 Rubottom Oxidation
- ジェイコブセン・香月エポキシ化反応 Jacobsen-Katsuki Epoxidation
- 過酸による求核的エポキシ化 Nucleophilic Epoxidation with Peroxide
- デーヴィス酸化 Davis Oxidation
- シャープレス・香月不斉エポキシ化反応 Sharpless-Katsuki Asymmetric Epoxidation (Sharpless AE)
- バイヤー・ビリガー酸化 Baeyer-Villiger Oxidation
関連書籍
外部リンク
- Prilezhaev Reaction (organic-chemistry.org)
- Meta-Chloroperoxybenzoic acid (Wikipedia)
- Epoxide (Wikipedia)
- エポキシド (Wikipedia日本)
- メタクロロ過安息香酸 (Wikipedia日本)