[スポンサーリンク]

M

マクマリーカップリング McMurry Coupling

[スポンサーリンク]

 

概要

アルデヒドやケトンを低原子価チタン種で還元的にカップリングさせ、アルケンを合成する反応。オゾン分解の逆形式と捉えられる。分子内でも効率よく進行し、大環状化合物や天然物合成に広く用いられている。

基本文献

  • Tyrlik, S.; Wolochowicz, I. Bull. Soc. Chim. Fr. 1973, 2147
  • Mukaiyama, T. et al. Chem. Lett. 1973, 1041. doi:10.1246/cl.1973.1041
  • McMurry, J. E.; Fleming, M. P. J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 4708. DOI:10.1021/ja00821a076
  • McMurry, J. E. Chem. Rev. 1989, 89, 1513. DOI: 10.1021/cr00097a007
  • Robertson, G. M. Comp. Org. Syn. 19913, 583.
  • Furstner, A.; Jumbam, D. N. Tetrahedron 199248, 5991. doi:10.1016/S0040-4020(01)89848-3
  • Lipski, T. A.; Hilfiker, M. A.; Nelson, G. A. J. Org. Chem. 1997, 62, 4566. DOI: 10.1021/jo970792o

 

反応機構

系中で生成する低原子価チタン種が反応活性種として働く。ピナコールカップリング型中間体を経由する。O-Ti結合がきわめて強いことが本反応の駆動力となっている。低温で反応を行うとピナコールカップリング段階で停止する。
mcmurry_2.gif

反応例

on-ene1.gif
on-ene2.gif
mcmurry_7.gif
mcmurry_3.gif
13-hydroxynecembraneの合成[1] on-ene3.gif
Taxolの合成[2] mcmurry_8.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Liu, Z.; Zhang, T.; Li, Y. Tetrahedron Lett. 200142, 275. doi:10.1016/S0040-4039(00)01873-6

[2] Nicolaou, K. C. et al. Nature 1994367, 630. doi:10.1038/367630a0

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”352730634X” locale=”JP” title=”Modern Carbonyl Olefination: Methods and Applications”]

 

関連リンク

関連記事

  1. ベンジジン転位 Benzidine Rearrangement
  2. 還元的アルドール反応 Reductive Aldol React…
  3. プラトー反応 Prato Reaction
  4. ベティ反応 Betti Reaction
  5. スワーン酸化 Swern Oxidation
  6. アルブライト・ゴールドマン酸化 Albright-Goldman…
  7. ブレデレック ピリミジン合成 Bredereck Pyrimid…
  8. MT-スルホン MT-Sulfone

注目情報

ピックアップ記事

  1. 投票!2019年ノーベル化学賞は誰の手に!?
  2. 有機レドックスフロー電池 (ORFB)の新展開:高分子を活物質に使う
  3. ムレキシド反応 Murexide reaction
  4. クラプコ脱炭酸 Krapcho Decarboxylation
  5. 有機EL素子の開発と照明への応用
  6. フィッツィンガー キノリン合成 Pfitzinger Quinoline Synthesis
  7. 有機反応を俯瞰する ーMannich 型縮合反応
  8. 第114回―「水生システムにおける化学反応と環境化学」Kristopher McNeill教授
  9. 中村 浩之 Hiroyuki NAKAMURA
  10. メンデレーエフ空港

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

“試薬の安全な取り扱い”講習動画 のご紹介

日常の試験・研究活動でご使用いただいている試薬は、取り扱い方を誤ると重大な事故や被害を引き起こす原因…

ヤーン·テラー効果 Jahn–Teller effects

縮退した電子状態にある非線形の分子は通常不安定で、分子の対称性を落とすことで縮退を解いた構造が安定で…

鉄、助けてっ(Fe)!アルデヒドのエナンチオ選択的α-アミド化

鉄とキラルなエナミンの協働触媒を用いたアルデヒドのエナンチオ選択的α-アミド化が開発された。可視光照…

4種のエステルが密集したテルペノイド:ユーフォルビアロイドAの世界初の全合成

第637回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院薬学系研究科・天然物合成化学教室(井上将行教授主…

そこのB2N3、不対電子いらない?

ヘテロ原子のみから成る環(完全ヘテロ原子環)のπ非局在型ラジカル種の合成が達成された。ジボラトリアゾ…

経済産業省ってどんなところ? ~製造産業局・素材産業課・革新素材室における研究開発専門職について~

我が国の化学産業を維持・発展させていくためには、様々なルール作りや投資配分を行政レベルから考え、実施…

第51回ケムステVシンポ「光化学最前線2025」を開催します!

こんにちは、Spectol21です! 年末ですが、来年2025年二発目のケムステVシンポ、その名…

ケムステV年末ライブ2024を開催します!

2024年も残り一週間を切りました! 年末といえば、そう、ケムステV年末ライブ2024!! …

世界初の金属反応剤の単離!高いE選択性を示すWeinrebアミド型Horner–Wadsworth–Emmons反応の開発

第636回のスポットライトリサーチは、東京理科大学 理学部第一部(椎名研究室)の村田貴嗣 助教と博士…

2024 CAS Future Leaders Program 参加者インタビュー ~世界中の同世代の化学者たちとかけがえのない繋がりを作りたいと思いませんか?~

CAS Future Leaders プログラムとは、アメリカ化学会 (the American C…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー