ケトン→アルカン
概要
亜鉛アマルガム-塩酸を用いる、カルボニル基のメチレンへの還元反応。特に芳香環と共役したケトンの還元に有効。
非水系条件下に、塩化水素エーテル溶液を用いることで、非共役型のケトンも還元できる。この場合には金属亜鉛で良く、毒性の高い水銀化合物の使用を避けることができる。
亜鉛の代わりに電解反応を用いることもできる。
この反応は酸性条件下進行するので、塩基性条件下で行われるWolff-Kishner還元や中性下で行われるチオアセタールのRaneyNiによる脱硫還元などと相補的に用いられる。
基本文献
- Clemmensen, E. Ber. 1913, 46, 1837.
- Clemmensen, E. Ber. 1914, 47, 51.
- Clemmensen, E. Ber. 1914, 47, 681.
- Martin, E. L. Org. React. 1942, 1, 155.
- Nakabayashi T. J. Am. Chem. Soc. 1960, 82, 3900. DOI: 10.1021/ja01500a029
- Buchanan, J. G. St. C.; Woodgate, P. D. Quart. Rev. 1969, 23, 522.
- Vedejs, E. Org. React. 1975, 22, 401.
- Yamamura, S.; Nishiyama, S. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 8, 309.
反応機構
亜鉛アマルガムの表面で進行する反応。詳細は明らかではないが、以下のような機構は考え得る一つである。
反応例
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連反応
- 還元的脱硫反応 Reductive Desulfurization
- ローゼンムント還元 Rosenmund Reduction
- バートン・マクコンビー脱酸素化 Barton-McCombie Deoxygenation
- アルコールのアルカンへの変換 Conversion from Alcohol to Alkane
- ウォルフ・キシュナー還元 Wolff-Kishner Reduction
関連書籍
関連動画
関連リンク
- Clemmensen Reduction (Wikipedia)
- Aldehyde & Ketones
- Clemmensen Reduction (organic-chemistry.org)
- Clemmensen
- 還元 (Wikipedia日本)
- クレメンゼン還元 (Wikipedia日本)