概要
cis-1,5-ヘキサジイン-3-エンを200℃以上に加熱すると、1,4-ベンゼンビラジカルが発生する。このビラジカル化学種は反応性が高く、水素供与体が共存すると水素を引き抜き、芳香環となる。
環化の速度はエンジイン炭素原子間の距離に依存し、3.34Åより近づくと容易に環化する。
基本文献
- Darby, N.; Kim, C.U.; Salaun, J.A.; Shelton, K.W.; Takada, S.; Masamune, S. J. Chem. Soc. 1971, 23, 1516.
- Jones, R. R.; Bergman, R. G. J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 660. DOI: 10.1021/ja00757a071
- Bergman, R. G. Acc. Chem. Res. 1973, 6, 25. DOI: 10.1021/ar50061a004
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反応機構
(参考:J. Org. Chem. 1994, 59, 5833)
反応例
ネオカルジノスタチン、ダイネミシン、カリチェアミシンなどのエンジイン系天然物は、DNA認識部位とエンジイン部位を持つ。エンジイン部位のBergman環化により発生したビラジカルがDNAを切断するため、抗腫瘍活性を示す。
通常エンジイン天然物はそのままBergman環化を起こすことはないが、生体内での反応をトリガーとしてエンジイン末端部が近づくことにより、Bergman環化を起こす。
以下に例としてカリチェアミシンのビラジカル生成機構を示す。この場合はトリスルフィド部位への求核置換がトリガーとなって分子内環化が起こり、炭素がsp3混成化、アルキン末端の距離が近づくことでBergman環化が起きる。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連書籍
関連リンク
- Bergman Cyclization (Wikipedia)
- Bergman Group (UCBerkeley)
- Bergman Cyclization
- Bergman cyclization (organic-chemistry.org)