クレオパトラの時代から女性を引きつけてやまないバラの香りの秘密が解き明かされた。高根の花だった天然バラの高級香水がぐっと身近になるかもしれない。
カネボウ化粧品(東京都港区)はこれまで解明されていなかったバラの香りの重要な成分を初めて発見した。バラの香りは数100種もの成分で構成されるが、今回発見した新成分はごく微量でみずみずしくゴージャスなバラ特有の香りを引き立てる役割を果たすことが分かった。
天然のバラからしか作れなかった高級フレグランス(香料)の成分とほぼ同じ香りが「10分の1から20分の1の低価格」(香料研究室)で合成可能になるという。 (引用:フジサンケイビジネスアイ)
曽田香料との共同研究で見つかったそうです。バラの匂いの主成分にはシトロネロールやフェネチルアルコール、ゲラニオールやその異性体のネロールなどがありますが、主成分だけではバラの匂いは再現できません。今回の匂いの構造はどのようなものなのでしょうか?
関連書籍
[amazonjs asin=”4757219229″ locale=”JP” title=”アロマテラピー外来が教えるメディカルアロマ&ハーブのセルフケア事典”]
関連リンク
香りの化学1
世の中にはたくさんの「香り」がある。花の香り、食べ物の香り、体臭などの天然のものや香水、合成香料などの人工的なにおいまでさまざまな香りがある。それでは、今回はまずこれらの「香り」というものはどのようなものであるか?ということと、化学構造との関係を説明し、「香りの化学2」で有機合成化学の分野である「合成香料」について合成法、利用などをあげてみよう。
「香りの化学1」で「香り」というものはどのようなものであるか?ということと、化学構造との関係を説明した。 では今回は、有機合成化学の分野である「合成香料」について歴史、合成法、利用などをあげてみよう。
バラの匂いの成分である化合物は100種類以上あり、その成分をどれをどのくらい混合するかで匂いが変わっているからです。どのようにつくるかというと、バラの成分を抽出しガスクロマトグラフィーを用いて成分の割合を確認し、それぞれを分離、構造を決定します。その決まった化合物の合成品なり、天然物をそれぞれの割合で調合していくわけです。しかし、ガスクロで超微量成分でもバラの匂いの成分では核を占める匂いがあるかもしれません。ですから、匂いはなかなか難しく奥深いものなんですよね。