[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ヴァレリー・フォキン Valery V. Fokin

[スポンサーリンク]

ヴァレリー・V・フォキン (Valery V. Fokin、1971年x月xx日- ロシア生まれ)は、アメリカの化学者である。南カリフォルニア大学教授(写真:USC News)。

経歴

1993 University of Nizhny Novgorod 卒業
1993 Calvin College
1998 南カリフォルニア大学 博士号取得(Nicos A. Petasis教授)
1998 スクリプス研究所 博士研究員(K.B.Sharpless教授)
2000 スクリプス研究所助教授
2013 スクリクス研究所准教授
2015 南カリフォルニア大学教授

受賞歴

 

研究概要

クリックケミストリーに有用な触媒開発

アジド-アルキン[3+2]付加環化(Huisgen付加環化)はクリックケミストリーの代名詞的反応として知られる。

Fokinらは触媒量の銅を添加することで反応を大幅に加速しうることを見いだした[1]。これにより本反応の適用範囲が大幅に広がった。

huisgen13_1.gifまた銅触媒は末端アルキンのみを対象としているが、ルテニウム触媒を用いることで内部アルキンへの付加環化も進行しうることも見いだしている[2]。

huisgen13_6.gif

2013年にHuisgen付加環化の反応機構解明も行っている[3]。(関連記事:クリック反応の反応機構が覆される)

コメント&その他

 

名言集

 

関連動画

 

関連文献

  1. Rostovtsev, V. V.; Green, L. G.; Fokin, V. V.; Sharpless, K. B. Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 41, 2596. [Abstract]  (b) Wu, P.; Fokin, V. V. Aldrichimica Acta 2007, 40, 7. (c) Hein, J. E.; Fokin, V. V. Chem. Soc. Rev. 2010, 39, 1302. DOI: 10.1039/b904091a
  2. (a) Fokin, V. V. et al. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 15998. DOI: 10.1021/ja054114s (b) Fokin, V. V. et al. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 8923. DOI: 10.1021/ja0749993
  3. Worrell B.T.; Malik J.A; Fokin V.V. Science 2013 340, 457. DOI: 10.1126/science.1229506

関連書籍

[amazonjs asin=”3527320857″ locale=”JP” title=”Click Chemistry: In Chemistry, Biology and Macromolecular Science”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ドナルド・トゥルーラー Donald G. Truhlar
  2. ダニエル・ノセラ Daniel G. Nocera
  3. クリストファー・ウォルシュ Christopher Walsh
  4. 池田 菊苗 Kikunae Ikeda
  5. 相良剛光 SAGARA Yoshimitsu
  6. ロナルド・ブレズロウ Ronald Breslow
  7. 赤﨑 勇 Isamu Akasaki
  8. 岩田忠久 Tadahisa Iwata

注目情報

ピックアップ記事

  1. ナノの世界の交通事情~セルラーゼも渋滞する~
  2. “マイクロプラスチック”が海をただよう その1
  3. SFTSのはなし ~マダニとその最新情報 後編~
  4. 鉄触媒反応へのお誘い ~クロスカップリング反応を中心に~
  5. XPhos
  6. ヘキサメチレンテトラミン
  7. トリメチルアルミニウム trimethylalminum
  8. 触媒でヒドロチオ化反応の位置選択性を制御する
  9. 有機合成化学協会誌6月号:ポリフィリン・ブチルアニリド・ヘテロ環合成・モノアシル酒石酸触媒・不斉ヒドロアリール化・機能性ポリペプチド
  10. 第十二回ケムステVシンポ「水・有機材料・無機材料の最先端相転移現象 」

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年9月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP