[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

サラ・オコナー Sarah E. O’Connor

[スポンサーリンク]

サラ•オコナー(Sarah E. O’Connor、19xx年xx月xx日生-)は、アメリカ出身の天然物化学者である。ジョン•イネス•センター(John Innes Centre)プロジェクトリーダーを経て現在はMax Planck Institute for Chemical Ecology(ドイツ、イエナ)の教授。

研究概要

主に植物や植物病原菌の生合成についての研究を行っている。生合成経路、生合成遺伝子、二次代謝酵素の研究を基に、合成生物学的手法により医薬品資源として有用な二次代謝産物を大量供給することを研究の目的としている。

また、植物病原菌である糸状菌の生合成について他グループと共同研究を行なっている。

Sara research.jpg

薬用植物への炭素ーハロゲン結合の導入

Runguphan, W.*, Xudong, Q.*, O’Connor, S. E. (2010) ”Integrating carbon-halogen bond formation into medicinal plant metabolism.” Nature. 468, 461–464. DOI:

10.1038/nature09524

現在、多くの天然物においてハロゲン化化合物が見つかっているが、陸上生物ではあまり見つかっていない。Sarah O’connorらは、ハロゲン化を薬用植物の代謝に導入することができれば、有用な新規天然物が得られるのではないかと考えた。

O’connorらは、monoterpene indole alkaloidを生産するニチニチソウ( Catharanthus roseus )に注目した。ニチニチソウは、下のschemeに示すようにtabersonineやajmalicineなどを生産する。

biosynthesis pathway.png

O’connorらは、root cultureを用いて生産系を構築し、ここにハロゲン化酵素であるRebH, PyrHとそれらとペアになる還元酵素を導入した。

hairy root culture.gif

その結果、下のschemeに示すようなハロゲン化アルカロイドを生産させることに成功した。

halogenated biosynthesis pathway.png

経歴

  • 1995 BS chemistry, University of Chicago, Chicago, IL
  • 2001 PhD, Organic chemistry, MIT
  • 2000-2003 Post-doctoral Fellow in Biochemistry, Harvard Medical School, Boston, USA
  • 2003-2007 Assistant Professor of Chemistry, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, USA
  • 2007-2011 Associate Professor of Chemistry, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, USA
  • 2011- 2018 Project Leader, The John Innes Centre and The University of East Anglia, Norwich, UK
  • 2018- Director and Scientific Member at the Max Planck Institute for Chemical Ecology, Germany

受賞歴

  • 1998 Distinguished Graduate Student Everhart Lecture Series, California Institute of Technology
  • 1998-1999 American Chemical Society Organic Division Graduate Fellowship, California Institute of Technology
  • 2000-2002 American Chemical Society Irving S. Sigal Postdoctoral Fellowship, Harvard Medical School
  • 2003-2005 Smith Family Medical Foundation New Investigator
  • 2004-2007 Latham Family Career Development Professor
  • 2005-2008 Beckman Young Investigator
  • 2007-2010 American Cancer Society Research Scholar
  • 2007 Arthur Neisch Young Investigator Award of the North American Phytochemical Society
  • 2007-2009 Sloan Research Fellowship
  • 2011 ACS Pfizer Award in Enzyme Chemistry
  • 2011 Royal Society Wolfson Research Merit Award

外部リンク

Avatar photo

ゼロ

投稿者の記事一覧

女の子。研究所勤務。趣味は読書とハイキング ♪
ハンドルネームは村上龍の「愛と幻想のファシズム」の登場人物にちなんでま〜す。5 分後の世界、ヒュウガ・ウイルスも好き!

関連記事

  1. 建石寿枝 Hisae Tateishi-Karimarta
  2. ジャック・ドゥボシェ Jacques Dubochet
  3. グァンビン・ドン Guangbin Dong
  4. ジェニファー・ダウドナ Jennifer Doudna
  5. 秋吉一成 Akiyoshi Kazunari
  6. 丸岡 啓二 Keiji Maruoka
  7. リチャード・ホルム Richard H. Holm
  8. 菅裕明 Hiroaki Suga

注目情報

ピックアップ記事

  1. エルマンイミン Ellman’s Imine
  2. 副反応を起こしやすいアミノ酸を迅速かつクリーンに連結する
  3. 無保護カルボン酸のラジカル機構による触媒的酸化反応の開発
  4. さよならGoogleリーダー!そして次へ…
  5. アレルギー体に抑制力:岐阜薬科大学長ら発見
  6. クロスカップリングの研究年表
  7. ゾムレ・ハウザー転位 Sommelet-Hauser Rearrangement
  8. アンディ・マイヤース Andrew G. Myers
  9. 合成手法に焦点を当てて全合成研究を見る「テトロドトキシン~その1~」
  10. 蛍光色素を分子レベルで封止する新手法を開発! ~蛍光色素が抱える欠点を一挙に解決~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP