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デヴィッド・エヴァンス David A. Evans

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デヴィッド・A・エヴァンス (David A. Evans、1941年1月11日-2022年4月29日)は、アメリカの有機化学者である(写真:Evans Group)。米ハーバード大学教授。

 経歴

1963  オベリン大学卒業
1967 カリフォルニア工科大学博士課程修了
1967 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校助教授
1972 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校准教授
1974 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校教授
1974 カリフォルニア工科大学教授
1983 ハーバード大学教授
1990- ハーバード大学名誉教授(Abbott and James Lawrence Professor of Chemistry)
1995-1998 ハーバード大学化学科主任

 

受賞歴

1971 Camille and Henry Dreyfus Teacher-Scholar Award
1972 Alfred P. Sloan Foundation Fellow
1973 Distinguished Teaching Award, UCLA Alumni Association
1982 ACS Award for Creative Work in Synthetic Organic Chemistry
1983 M.A., Honorary, Harvard University, Cambridge, MA
1984 Allen R. Day Award, Philadelphia Organic Chemists Club, Philadelphia, PA
1984 Elected to National Academy of Sciences
1988 Arthur C. Cope Scholar Award, American Chemical Society
1988 American Academy of Arts and Sciences
1992 C. S. Hamilton Award, University of Nebraska
1992 Mack Award, Ohio State University
1992 Fellow, American Association for the Advancement of Science
1992 Pfizer Research Award for Synthetic Organic Chemistry, Pfizer, Inc.
1996 Remsen Award, Maryland Section, American Chemical Society
1997 Yamada Prize, University of Tokyo, Japan
1998  Tetrahedron Prize
1998  Robert Robinson Award from the Royal Society of Chemistry, UK
1999  The Prelog Medal, ETH, Zurich Switzerland
2000 Arthur C. Cope Award, American Chemical Society
2001 Elected to The Royal Society of Chemistry
2002 California Institute of Technology, Distinguished Alumni Award
2003 The Nagoya Medal, Nagoya University, Japan
2003 Karl Ziegler Prize, Max Planck, Muelheim, Germany
2005 Willard Gibbs Medal, Chicago Section of the American Chemical Society
2006 Ryoji Noyori Prize, Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
2006 Thomson Scientific Laureate in Chemistry, Thomson Scientific
2006 Glenn T. Seaborg Medal, awarded by the University of California, Los Angeles
2007 Herbert C. Brown Award for Creative Research in Synthetic Methods, sponsored by the American Chemical Society
2007 Phi Beta Kappa Teaching Prize for Contributions to Undergraduate Education 2008      Elected Fellow of the Royal Society of Chemistry, UK
2008 Humboldt Research Award for Senior Scientists, the Alexander von Humboldt Foundation
2008 Elected Fellow of the Royal Society of Chemistry, UK
2010 ACS Award for Creativity in Molecular Design and Synthesis
2012 Welch Prize in Chemistry, awarded by the Welch Foundation
2013 Roger Adams Award

研究概要

新規方法論を用いる複雑天然物の全合成

彼の名を冠するもっとも有名な人名反応は、アミノ酸由来のオキサゾリジノン不斉補助基を備えた基質を用いるEvansアルドール反応だろう[1]。常に信頼性が高く、大量合成にも適用可能で、立体化学の予測もしやすい。このため多くの複雑化合物合成に適用されてきた。不斉アリルホウ素化とならび、鎖状化合物の骨格構築+立体制御を行う目的には、現在でも定番的に使われる。(参考:炭素を繋げる王道反応:アルドール反応(3))

evans_aldol_1.gif

そのほかにもアニオニックオキシ-コープ転位、触媒的ヒドロホウ素化、ビスオキサゾリン不斉配位子の開発など、現在でも通用する数々の重要反応に関する研究で成果を上げている。
また、それらの反応を巧みに活用して、巨大複雑天然物を数多く全合成している。

コメント&その他

  1. アメリカの有機合成化学界における大ボスの一人です。アメリカの若手有機合成化学者のほとんどは、Corey派閥かEvans派閥に属すると言われています。
  2. 化学構造式描画ソフトChem-Drawの開発者でもあり、現在全世界で最も化学者に使われているソフトウェアである。[2] [記事はこちら]

関連動画

2012 Welch Award – Dr. David A. Evans from The Welch Foundation on Vimeo.

関連文献

  1. (a) Evans, D. A.; Vogel, E.; Nelson, J. V. J. Am. Chem. Soc. 1979101, 6120. DOI:10.1021/ja00514a045 (b) Evans, D. A.; Bartroli, J.; Shih, T. L. J. Am. Chem. Soc. 1981103, 2127. DOI: 10.1021/ja00398a058  (c) Evans, D. A. Aldrichimica Acta 198215, 23. (d) Recent Review: Heravi, M. M.; Zadsirjan, V. Tetrahedron: Asymmetry 2013, 24, 1149.
  2. Evans, D. A. Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 11140.  DOI: 10.1002/anie.201405820
  3. “A view from the far side. Memorable characters and interesting places”. Evans, D. A. Tetrahedron  1990, 55, 8589. doi:10.1016/S0040-4020(99)00436-6

外部リンク

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投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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