井上 佳久(いのうえ よしひさ、1949年12月27日生まれ)は、日本の有機化学者。大阪大学名誉教授(写真:JST)。
経歴
- 1972年: 大阪大学工学部応用化学科 卒業
- 1974年: 大阪大学大学院工学研究科石油化学専攻 修士課程修了
- 1977年: 大阪大学大学院工学研究科石油化学専攻 博士課程修了(工学博士)
- 1977年: 姫路工業大学工学部応用化学科 助手
- 1985年: 姫路工業大学工学基礎研究所 助教授
- 1990年: 姫路工業大学理学部物質科学科 助教授
- 1994年: 大阪大学工学部プロセス工学専攻 教授
- 1995年: 大阪大学工学部分子化学専攻 教授
- 2015年: 大阪大学 名誉教授
受賞歴
- 1983年: 日本化学会進歩賞
- 1998年: 光化学協会賞
- 2003年: Molecular Chirality Award
- 2011年: Humboldt Research Award
研究
光化学、物理有機化学、分子認識化学、超分子化学などを専門とする。真空紫外領域における有機光化学を開拓している。
不斉光化学
光学収率を100%近くまで向上させることに成功。生成物のキラリティーが反応温度によって反転する現象を初めて発見し、その発現機構を解明しました。
エントロピーの役割の解明
光反応、熱的反応、分子認識現象全般において、エントロピーが極めて重要な役割を果たしていることを明らかにしました。
コメント&その他
関連文献
- Fukuhara, G.; Nakamura, T.; Yang, C.; Mori, T.; Inoue, Y. Dual Chiral, Dual Supramolecular Diastereodifferentiating Photocyclodimerization of 2-Anthracenecarboxylate Tethered to Amylose Scaffold. Org. Lett. 2010, 12(15), 3510–3513. DOI: 10.1021/ol101362s
- Nishizaka, M.; Mori, T.; Inoue, Y. Conformation Elucidation of Tethered Donor-Acceptor Binaphthyls from the Anisotropy Factor of a Charge-Transfer Band. J. Phys. Chem. Lett. 2010, 1(15), 2402–2405. DOI:10.1021/jz100901n
関連書籍
外部リンク
- 総括責任者 井上佳久氏の略歴等(JST)