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相田 卓三 Takuzo Aida

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相田卓三(あいだ たくぞう、1956年5月3日-)は、日本の高分子化学者、超分子化学者である。東京大学東京カレッジ卓越教授(写真:nanotechweb.org)。

経歴

1979 横浜国立大学工学部応用化学科 卒業
1984 東京大学大学院工学系研究科合成化学専攻 博士課程修了
1984 東京大学工学部合成化学科 助手
1988 東京大学工学部工業化学科 講師
1991 東京大学工学部合成化学科 助教授
1996 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 教授
2022年-現在 東京大学東京カレッジ卓越教授

2000-2010年 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 研究統括
2008-2012年 理化学研究所 フロンティア研究システム 物質情報変換化学研究グループリーダー
2013年-現在 理化学研究所 創発物性科学研究センター 副センター長

 

受賞歴

1988 日本化学会進歩賞
1993 高分子学会賞
1999 Wiley高分子科学賞
1999 日本IBM科学賞
2000 名古屋シルバーメダル
2001 東京テクノフォーラムゴールドメダル
2005 井上科学賞
2005 ACS Arthur K. Doolittle Award
2009 日本化学会学会賞
2009 ACS Award in Polymer Chemistry
2010 紫綬褒章
2011 藤原賞
2011 フンボルト賞
2013 アメリカ化学会 Arthur K. Doolittle賞
2013 vant’Hoff Award lecture
2015 江崎玲於奈賞
2017 キラリティメダル
2018 学士院賞

 

研究概要

デンドリマー化学を基盤とする新規機能性物質の創製

水・層状粘土鉱物(クレイ)・ポリアクリル酸ナトリウム、両末端デンドロン化高分子を用いて、組成の95%以上が水分でありながら、シリコンゴム程度の強度と自己修復性を合わせ持つハイドロゲル(アクアマテリアル)の開発に成功している(関連記事:95%以上が水の素材:アクアマテリアル)。[8]

hydrogel4

グラファイト型自己組織化型ナノチューブの創製と機能評価


graphitetube.gif
(画像:ERATO相田ナノ空間プロジェクト)[4]

 

ゾベンゼン部位を含む分子スイッチの設計・作成

01

アゾベンゼン構造を利用したポリマーブラシ(画像:理研プレスリリース)[11]

超分子ポリマーの精密重合

超分子ポリマーの精密合成[18]

超分子ポリマーの精密合成[16]

マイクロウェーブとイオン液体で単層ナノグラフェンをつくる[17]

関連記事:マイクロ波とイオン性液体で単層グラフェン大量迅速合成

 

ケムステ内関連記事

  • 第13回 次世代につながる新たな「知」を創造するー相田卓三教授
  • マイクロ波とイオン性液体で単層グラフェン大量迅速合成
  • 超分子ポリマーを精密につくる

コメント&その他

 

関連文献

  1. Jiang, D.-L. Aida, T. Nature 1997388, 454. DOI: 10.1038/41290
  2. Kageyama, K.; Tamazawa, J.; Aida, T. Science1999285, 2113. DOI: 10.1126/science.285.5436.2113
  3. Fukushima, T.; Kosaka, A.; Ishimura, Y.; Yamamoto, T.; Takigawa, T.; Ishii, N.: Aiida, T. Science 2003300, 2072. DOI:10.1126/science.1082289
  4. Hill, J. P.; Jin, W.; Kosaka, A.; Fukushima, T.; Ichihara, H.; Shimomura, T.; Ito, K.; Hashizume, T.; Ishii, N.; Aida, T. Science 2004304, 1481. DOI:10.1126/science.1097789
  5. Kishimura, A.; Yamashita, T.; Yamaguchi, K.; Aida, T. Nature Mat. 20054, 546.
  6. Muraoka, T.; Kinbara, K.; Aida, T. Nature 2006440, 512. DOI: 10.1038/nature04635
  7. Yamamoto, Y.; Fukushima, T.; Suna, Y.; Ishii, N.; Saeki, A.; Seki, S.; Tagawa, S.; Taniguchi, M.; Kawai, T.; Aida, T. Science 2006314, 1761. DOI:10.1126/science.1134441 
  8. Wang, Q.: Mynar, J. L.; Yoshida, M.; Lee, E.; Lee, M.; Okuro, K.; Kinbara, K.;Aida, T. Nature 2010463, 33.
  9. Tsuda, A.; Nagamine, Y.; Watanabe, R.; Nagatani, Y.; Ishii, N.; Aida, T. Nat. Chem. 20102, 977. DOI: 10.1038/nchem.825
  10. Hosono, N.; Kajitani, T.; Fukushima, T.; Ito, K.; Sasaki, S.; Takata, M.; Aida, T. Science 2010330, 808. DOI: 10.1126/science.1195302
  11. Ohta, E.; Sato, H.; Ando, S.; Kosaka, A.; Fukushima, T.; Hashizume, D.; Yamasaki, M.; Hasegawa, K.; Muraoka, A.; Ushiyama, H.; Yamashita, K.; Aida, T. Nat. Chem. 20113, 68.
  12. Zhang, W.; Jin, W.; Fukushima, T.; Saeki, A.; Seki, S.; Aida, T. Science 2011334340.
  13. Miyajima, D.; Araoka, F.; Takezoe, H.; Kim, J.; Kato, K.; Takata, M.; Aida, T. Science 2012, 336, 209.
  14. Biswas, S.; Kinbara, K.; Niwa, T.; Taguchi, H.; Ishii, N.; Watanabe, S.; Miyata, K.; Kataoka, K.; Aida, T. Nat. Chem. 20135, 613.
  15. Fukino, T.; Joo, H.; Hisada, Y.; Obana, M.; Yamagishi, H.; Hikima, T.; Takata, M.; Fujita, N.; Aida, T. Science 2014344499.
  16. Kang, J.; Miyajima, D.; Mori, T.; Inoue, Y.; Itoh, Y.; Aida, T Science 2015347, 646. DOI:10.1126/science.aaa4249
  17. Matsumoto, M.; Saito, Y.; Park, C.; Fukushima, T.; Aida, T.Nature Chem. 20157, 730–736. DOI: 10.1038/nchem.2315

 

関連書籍

 

関連動画

SPring-8 東京大学 相田卓三先生インタビュー

 

外部リンク

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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