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ナノ化学

飯島澄男 Sumio Iijima

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飯島澄男(いいじま すみお、1939年5月2日-)は日本の物理学者・化学者。 名城大学大学院理工学研究科終身教授。 名古屋大学高等研究院特別招聘教授。日本学士院賞・文化勲章受章者。

フラーレンと並び炭素ナノテクノロジーの主役を担う、カーボンナノチューブの発見者として世界的に有名。トムソンISI社の調査により、2007年ノーベル物理学賞候補として名前が挙がりました。

経歴

1939年埼玉県に生まれる。

1963 電気通信大学電気通信学部 卒業
1968 東北大学大学院物理学科 博士号取得
1968 東北大学科学計測研究所 助手
1970 米国アリゾナ州立大学研究員
1979 英国ケンブリッジ大学客員研究員
1987 日本電気株式会社特別主席研究員
1998-現在 名城大学理工学部教授
2001-2008 独立行政法人産業技術総合研究所 ナノカーボン研究センター長
2005 成均館大学(韓国)ナノテクノロジー先端技術研究所所長
2007-現在 名古屋大学高等研究院特別招聘教授
2008-2015 独立行政法人産業技術総合研究所 ナノチューブ応用研究センターセンター長
2015 国立研究開発法人産業技術総合研究所 名誉フェロー

 

受賞歴

1976 バートラム ワーレン賞(米国結晶学会)
1985 日本結晶学会賞
1985 仁科記念賞
1996 朝日賞受賞
1998 つくば賞
2001 アジレント欧州物理学賞
2002 ジェームス C. マックグラディ新材料賞(米物理学会)
2002 ベンジャミンフランクリンメダル物理学賞
2002 日本学士院・恩賜賞
2003 日本応用物理学会業績賞
2003 文化功労者
2007 藤原賞
2007 Gregori Aminoff Prize in crystallography 2007 (Royal Swedish Academy of Sciences) 2007 応用物理学会フェロー表彰
2007 バルザン賞(Balzan Prize for Nanoscience)
2008 The 2008 Plueddemann Award (Case Western Researve University)
2008 The first Richard E. Smalley Research Award (The Electrochemical Society)
2008 第1回カヴリ賞 ナノ科学部門受賞
2008 アストゥリアス皇太子賞
2008 エコノミストイノベーション賞「ノー・バウンダリー領域」(ザ・エコノミスト紙)
2009 文化勲章
2012 著名科学者賞(マイアミ2012ウィンターシンポジウム)
2013 ゴールドメダル(スロヴァキア科学アカデミー)
2015 欧州発明家賞 非欧州部門

 

研究

専門は物性物理、材料科学、電子顕微鏡学、結晶学。
特に化学領域ではカーボンナノチューブの発見[1]、構造決定、合成法の確立が有名な業績。

MWNT.gif
(画像:Laboratory of Chemical Physics of Materials )

コメント&その他

高度な電子顕微鏡技術を用いたカーボンナノチューブ発見の業績により、日本人のノーベル賞最有力候補とされています。

 

関連動画

関連文献

  1. Iijima, S. Nature 1991, 354, 56.

関連書籍

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外部リンク

 

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投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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