[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ディーター・ゼーバッハ Dieter Seebach

[スポンサーリンク]

ディーター・ゼーバッハ(Dieter Seebach, 1937年8月31日-)はスイスの有機化学者である。スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)名誉教授(画像:DW.COM)。
様々な革新的有機合成法の開発、特に極性転換法(Umpolung)や立体選択的合成法・不斉合成法において多大な業績をあげている。

経歴

1937年8月31日、ドイツのカールスルーエに生まれる。
1961 カールスルーエ大学 学士号
1964 カールスルーエ大学 博士号 (R.Criegee教授)
1965 ハーバード大学博士研究員 (E.J.Corey教授)
1969 カールスルーエ大学
1971 ギーセン ユストゥス・リービッヒ大学 教授
1977 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 教授
2003 同大学 退官

受賞歴

1987 Reagent of the year 1987 (フルカ賞)
1992 ACS Award for Creative Work for Organic Synthesis
1999 ロジャー・アダムス賞
2003 テトラヘドロン賞
2004 野依賞
2019 Arthur C. Cope Award

研究

  • 硫黄・セレンで安定化されたカルボアニオンを用いる有機合成

現在でも広く使われるジチアン法[1]の開発が最も有名。極性転換(Umpolung)の一般概念[2]を広く知らしめた重要な反応である。

dithiane.gif
ジチアンを用いるケトン合成

  • TADDOLの創製

酒石酸由来のキラル補助基/不斉配位子・TADDOL(タドール)を開発。様々な立体選択的合成を可能にした。

TADDOL.gif

コメント &その他

800報以上の論文を発表し、150人以上の博士号取得者を輩出する。

関連論文

  1.  J. Org. Chem. 1975, 40, 231. DOI:10.1021/jo00890a018
  2.  Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1977, 18, 239. DOI:10.1002/anie.197902393

関連書籍

[amazonjs asin=”3527320938″ locale=”JP” title=”Asymmetric Synthesis: The Essentials”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. トム・メイヤー Thomas J. Meyer
  2. クリストファー・ウォルシュ Christopher Walsh
  3. 福住 俊一 Shunichi Fukuzumi
  4. アレクサンダー・リッチ Alexander Rich
  5. アンドリュー・ハミルトン Andrew D. Hamilton
  6. 加藤 昌子 Kato Masako
  7. 櫻井英樹 Hideki Sakurai
  8. ウラジミール・ゲヴォルギャン Vladimir Gevorgya…

注目情報

ピックアップ記事

  1. Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis
  2. ルイス塩基触媒によるボロン酸の活性化:可視光レドックス触媒系への適用
  3. 世界の化学企業いくつ知っていますか?
  4. 住友製薬-日本化薬、新規抗がん剤で販売提携
  5. フォルハルト・エルドマン環化 Volhard-Erdmann Cyclization
  6. アセトアルデヒドが香料に 食品添加物として指定了承
  7. Slow down, baby, now you’re movin’ way too fast.
  8. マテリアルズ・インフォマティクスの基礎
  9. 超音波有機合成 Sonication in Organic Synthesis
  10. マイヤー・シュスター転位/ループ転位 Meyer-Schuster/Rupe Rearrangement

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年9月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP