[スポンサーリンク]

chemglossary

クリックケミストリー / Click chemistry

[スポンサーリンク]

  クリックケミストリー(Click Chemistry)は、様々な機能性物質創製(医薬候補化合物、バイオプローブ、ソフトマテリアルなど)を目指した、大局的な化学研究スタイル[1]のひとつ。

ベルトのバックルが「カチッと音を立てて結合する(Click)」という単語が示すとおり、手軽に強固な結合をつくれる高化学選択的・高収率・高速反応を基盤技術として用いることが特徴である。

アジドとアルキンを用いるHuisgen[3+2]環化が代名詞的反応として知られている。 この反応は周囲の環境・条件にほとんど影響を受けない。水中・生体適合条件下でも進行する、信頼性の高い生体直交型反応(bioorthogonal reaction)の一つである。

2014-10-31_08-37-41Huisgen[3+2]環化

クリックケミストリーの具体化として、シャープレスはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)内で、2つの阻害剤をクリックケミストリー的手法を用いて架橋させるという、鋳型法によるリンカー探索を行った。その結果、世界最強のAchE阻害剤を発見することに成功している[2]

click_chemistry_3

 

関連論文

  1. Review: Kolb, H. C.; Finn, M. G.; Sharpless, K. B. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 2004. [DOI]
  2. (a) Sharpless, K. B. et al.  Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 1053. [DOI] (b) Sharpless, K. B. et al. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 6686. DOI:10.1021/ja043031t

関連書籍

[amazonjs asin=”3527320857″ locale=”JP” title=”Click Chemistry: In Chemistry, Biology and Macromolecular Science”][amazonjs asin=”3527339167″ locale=”JP” title=”Click Reactions in Organic Synthesis”][amazonjs asin=”1119001404″ locale=”JP” title=”Chemistry as a Game of Molecular Construction: The Bond-Click Way”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 有機EL organic electroluminescence…
  2. メカニカルスターラー
  3. 原子間力顕微鏡 Atomic Force Microscope …
  4. 有機触媒 / Organocatalyst
  5. MOF-74: ベンゼンが金属鎖を繋いで作るハニカム構造
  6. ポリメラーゼ連鎖反応 polymerase chain reac…
  7. 二重可変領域抗体 Dual Variable Domain Im…
  8. 研究のための取引用語

注目情報

ピックアップ記事

  1. ポール・アリヴィサトス Paul Alivisatos
  2. デヴィッド・ナギブ David A. Nagib
  3. カーボン系固体酸触媒
  4. クオラムセンシング Quorum Sensing
  5. オゾンホールのさらなる縮小を確認 – アメリカ海洋大気庁発表
  6. キラルアミンを一度に判別!高分子認識能を有するPd錯体
  7. オペレーションはイノベーションの夢を見るか? その1
  8. Side Reactions in Organic Synthesis II
  9. ジアステレオ逆さだぜ…立体を作り分けるIr触媒C–Hアリル化!
  10. ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2019年版】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発

第 631 回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 生命科学研究科 修士課程2…

永木愛一郎 Aiichiro Nagaki

永木愛一郎(1973年1月23日-)は、日本の化学者である。現在北海道大学大学院理学研究院化学部…

11/16(土)Zoom開催 【10:30~博士課程×女性のキャリア】 【14:00~富士フイルム・レゾナック 女子学生のためのセミナー】

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。11/16…

KISTEC教育講座『中間水コンセプトによるバイオ・医療材料開発』 ~水・生体環境下で優れた機能を発揮させるための材料・表面・デバイス設計~

 開講期間 令和6年12月10日(火)、11日(水)詳細・お申し込みはこちら2 コースの…

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2026卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

産総研の研究室見学に行ってきました!~採用情報や研究の現場について~

こんにちは,熊葛です.先日,産総研 生命工学領域の開催する研究室見学に行ってきました!本記事では,産…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP