[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

留学せずに英語をマスターできるかやってみた(1年目)

[スポンサーリンク]

みなさん英語は得意ですか?筆者は不得意です。研究者ですので論文は読みますし執筆もしますが、話せないですし聞き取ることがうまくできません。

 

これまでにも何度か英語の勉強をしたことはあるのですが、あまり英語を使う必要がない環境だったこともあり、全く上達しないまま止めてしまうということを繰り返していました。今思うと“まあ卒業後にポスドクとして留学すれば英語なんて簡単にできるようになるだろう”という考えがあったように思います。ところが頼りにしていた留学の機会を逸してしまい、気がつけば英語のできない大人になっていました。

30歳を超えてさすがに焦りが出てきましたし、英語ができると留学で得るものが大きいと聞きますので、約1年前から英語の勉強をはじめてみました。さて英語が不得意な研究者の英語力は向上したのでしょうか。

勉強方法

勉強法としては初級者から上級者までの具体的な勉強法が記載されている、具体的効率的英語学習最強プログラム中上級者がぶつかる壁を破る英語学習最強プログラムに書かれている内容を参考にし、勉強しました。

 

結果

勉強時間は通勤時間(往復1時間程度)の聞き流しを含めて1年間で648時間でした。おそらく200から300時間は聞き流しの時間です。内訳は以下のようになりました。

 

  1. 究極の英単語  268時間
  2. DUO3.0   98.5時間
  3. DUOselect   96時間
  4. 高校の文法参考書   52時間
  5. ハイディの法則77   19時間
  6. ACSの講演   10時間
  7. ニュース英語パワーボキャビル   9時間
  8. 必ず聞き取れるTOEICテスト   8時間
  9. Forest音でトレーニング   7.5時間
  10. VOA英語インタビューの聴き方   7.5時間
  11. はじめての新TOEICテスト   7時間
  12. 中学校の文法参考書   6時間
  13. 英語のバイエル   6時間
  14. ダボス会議で聞く世界の英語   5.5時間
  15. 英語の発音パーフェクト学習事典   5.5時間
  16. VOAリスニングトレーニング   5.5時間
  17. 中学校の英語教科書   5時間
  18. その他(23種類)   32時間

 

これらの勉強をしたところ

  1. 英単語は1万語程度が分かる。
  2. 発音記号は読めて発音できる。
  3. ヒアリング、スピーキングはほとんどできない。
  4. 大学生の時に400点だったTOEICを288日目に受けたところ525点だった。(読解は読めるが文法はさっぱり分からない。リスニングは雑音にしか聞こえない。)

 

という結果になり、ほとんど英語力の向上は感じられませんでした

 

考察

1ヶ月ごとの勉強時間をブラフにしてみたところ恐ろしいほど右肩下がりです(図1)。特に後半は通勤時間の聞き流し以外の勉強時間がかなり少ないと思われます。

月ごとの時間.gif

   図1.1ヶ月ごとの勉強時間

 

このことから日々の生活に追われてモチベーションを保てていないことがわかります。このため具体的•効率的英語学習最強プログラム中上級者がぶつかる壁を破る英語学習最強プログラムをきちんと行えていません。英語勉強の目的は「外国人研究者と自由に会話できるようになること」なので、ヒアリングとスピーキングを強化するための勉強時間を増やす必要があると思われます。焦らず基礎力をつけつつ、本サイトの記事である日本に居ながら、ナマの英語に触れる工夫などを参考にして勉強しようと思います。

 

ちなみに具体的効率的英語学習最強プログラムには3人の英単語学習者の語彙の増加について述べられています(図2)。学習者は以下の3人です。

 

Aさん 効率的な覚え方を用いて、単語を覚える作業に時間を割いている

Bさん 効率的でない覚え方を用いて、単語を覚える作業に時間を割いている

Cさん 効率的な覚え方を追い求めて、単語を覚える作業に時間を割かない

 

この人たちが勉強すると1年後にはもちろんAさんが一番多く単語を覚えられるのですが、2年もするとBさんが追いつくようです。その後は目標とする語彙レベルで止まるため、Bさんの目標がAさんよりも高いとBさんはAさんを追い抜くことができます。

ABCさん.gif

図2.具体的•効率的英語学習最強プログラムより引用

この図は当たり前といえば当たり前なのですが、なんだか勇気の出る話だなと思います。今のままだとBさんというよりはCさんになってしまう気がしますが、

 

まだあわてるような時間じゃない 仙道彰

 

と自分を慰めてまた1年間がんばります。

英語から逃げられない時代になってしまいましたし、若い読者のみなさんも筆者のようにならないよう研究と共に英語の勉強も頑張ってほしいと思います。もしあまりお金がかからない方法でいい方法がありましたらコメント下さい。是非実践してみたいと思います。

 

関連書籍

 

ナカシマ

投稿者の記事一覧

化学と英語に関心があります。

関連記事

  1. ルーブ・ゴールドバーグ反応 その1
  2. ケミカルバイオロジーとバイオケミストリー
  3. 元素の和名わかりますか?
  4. 中国へ行ってきました 西安・上海・北京編②
  5. Elsevierのニッチな化学論文誌たち
  6. ワークアップの悪夢 反応後の後処理で困った場合の解決策
  7. 科学とは「世界中で共有できるワクワクの源」! 2018年度ロレア…
  8. 「一置換カルベン種の単離」—カリフォルニア大学サンディエゴ校・G…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 子ども向け化学啓発サイト「うちラボ」オープン!
  2. 第76回―「化学を広める雑誌編集者として」Neil Withers博士
  3. リチウムイオン電池 電解液の開発動向と高機能化
  4. センター試験を解いてみた
  5. 化学研究ライフハック:情報収集の機会損失を減らす「Read It Later」
  6. 第47回天然有機化合物討論会
  7. CAS Future Leaders Program 2023 参加者インタビュー
  8. メソポーラスシリカ(3)
  9. 不斉アリル位アルキル化反応を利用した有機合成
  10. サントリー、ビールの「エグミ物質」解明に成功

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年2月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829  

注目情報

最新記事

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP