[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

英文読解の負担を減らすマウスオーバー辞書

[スポンサーリンク]

今回は、フリーで使えるマウスオーバー辞書ソフト『Lingoes』『キングソフト辞書』を紹介します。

分からない英単語をクリックするだけで、即座に意味をポップアップ表示してくれるという有難いソフトです。 日々の論文読解・英語サイトチェックに悩む方々にとっては、この上なく便利!

日本語対応の無料ソフトでありながら、商用ソフトに全く引けを取らない優れものです。

(※Windows専用ソフトです。Macユーザの方は残念ですが読み飛ばし置きを・・・)

 

Webブラウジングだけでなく、ローカルファイル(PDF・Word文書etc)や、インスタントメッセンジャー・メールを読むときにも使えるのがこのソフトの最大の特徴。

PCに保存した論文PDFを開いて、英辞郞を導入したLingoesを実際に使ってみました。

論文に似つかわしくない、凝った単語が出てきてもOK。

 

lingos_1.png

こんな単語まで認識して訳してくれる。

lingoes_2.png

テキストとして選択できる限り、図(figure)に付随する単語でもOK。

lingoes_3.png

英語を読む苦労を、かなり減じてくれるソフトです。もちろん普通の辞書としても使えます。「分からない単語が出てくる度に、WEB辞書に飛んでで調べる」といった面倒をやっていた身にとっては、まさに待ちに待ったソフト!もはや手放せません!
英語はどうにも苦手という方は多いでしょうから、導入しておくに損はないソフトだと思えます。

 ところで、Lingoesとキング辞書、どちらを使えば良いのでしょうか。 基本的にできることはほぼ同じです。軽快さ・安定性も問題ありません。(詳細な違いについては、下記関連リンクの記事を見ていただきいです。)機能や拡張性・辞書の充実度という面では、Lingoesに軍配が上がるようです。
Lingoes搭載のデフォルト辞書は、英英辞書のみです。しかし、ありとあらゆる辞書定義ファイルが公式サイトで無料公開されており、自分に適した辞書を選んで使えるようです。その数は半端無く、英語以外の辞書や百科事典などまであるという凄まじさ。

 

ただ一見して、「こんなものまで無料で公開してしまって大丈夫なのか?」と感じざるを得ないラインナップになっています。その辺りがいかにも中国的というか、ライセンス的グレーがそこはかとなく漂っています。いくつかの無料辞書ファイルについては、慎重な取扱いをするのが無難に思えます。もちろん、辞書ファイルを自前で用意可能、もしくはデフォルトの英英辞典しか使わない、というスタンスであれば何の問題もなく使用できると思えますが。

キングソフト辞書の場合は、自前でいちいち辞書ファイルを設定する必要が無く、導入がとても簡単です。ただし使えるのは内蔵の辞書に限られます。もちろん日常用途にとっては必要十分ですが、専門性の高い単語には弱くなります。Googleと共同開発したという経緯もあるようなので、ライセンス的グレーは薄そうです。安心・信頼性を求めるのであればこちらでしょうか。

余談ですが、こういったアイテムを使っていると、『論文読むときはそんなもの使わず、毎回辞書を引いて読め!じゃないと英語力が身につかないぞ!』・・・という”体育会系ヴォイス”がどこからか聞こえてきそうです。

しかし、実のところ【深く理解すべきは化学】ではないでしょうか。化学者にとって英語は必要ではあれど、本質ではないはずです。同じ内容を学ぶのであれば、楽してやれる方が良いですし、英語のせいで化学知識の習得が遅れるのは勿体ないかと。

こういう便利ソフトはどんどん取り入れて、情報処理速度を上げていく姿勢こそが善なのだ、と筆者なんかは思います。

ソフトの具体的なインストール方法、詳細については下記の関連リンクをご参照ください。

 

関連商品

[amazonjs asin=”B001DDCYT8″ locale=”JP” title=”英辞郎第四版 バリューパック”]

 

関連リンク

<Lingoesについて>

<キングソフト辞書について>

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. なぜあの研究室の成果は一流誌ばかりに掲載されるのか【考察】
  2. 1-ヒドロキシタキシニンの不斉全合成
  3. マテリアルズ・インフォマティクス適用のためのテーマ検討の進め方と…
  4. 化学者たちのエッセイ集【Part1】
  5. 視覚を制御する物質からヒントを得た異性化反応
  6. 英語発表に”慣れる”工夫を―『ハイブリッ…
  7. 95%以上が水の素材:アクアマテリアル
  8. 汝ペーハーと読むなかれ

注目情報

ピックアップ記事

  1. チチバビン反応 Chichibabin Reaction
  2. 水素 Hydrogen -最も基本的な元素で、燃料電池の原料
  3. 並外れた光可逆的粘弾性変化を示すシリコーンエラストマーの開発~市販のレーザーポインターをあてるだけで簡単にはがせる解体性粘接着剤用途に期待~
  4. 群ってなに?【化学者だって数学するっつーの!】
  5. フィンランド理科教科書 化学編
  6. 宮沢賢治の元素図鑑
  7. 核酸医薬の物語3「核酸アプタマーとデコイ核酸」
  8. 実験室の笑える?笑えない!事故実例集
  9. 動画でわかる! 「575化学実験」実践ガイド
  10. 三角形ラジカルを使って発光性2次元ハニカムスピン格子構造を組み立てる!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

高用量ビタミンB12がALSに治療効果を発揮する。しかし流通問題も。

2024年11月20日、エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン…

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー